形による瓦の種類

和形(J形)

多くの方が瓦というと、思い浮かぶ形ではないでしょうか。

昔ながらの和瓦の伝統を受け継ぐデザインで波打った形をしています。

色や鬼瓦などの屋根を飾る役物瓦を代えるだけで、葺きあがりの雰囲気も換わります。その為、日本家屋はもちろん洋風な建物など一般住宅や、公共施設、社寺仏閣まで様々な建築で用いられている瓦です。

平板(F形)

F形のFの字がフラット(平面)も意味しているように、平らな形の瓦です。

葺きあがりも全体にスッキリとした印象で、最近多く建てられる洋風な住宅に多く用いられています。

見た目はフラットですが、スレート材などとは違い耐久性など陶器瓦の良さも兼ね備えた瓦です。

※F形のFの字は、日本に一番最初に入ってきた平板瓦がフレンチという名前で、そのフレンチのFの字からF形と呼ばれ始めたようです・・・

S形

西洋建築と一緒に入ってきたデザインで、S形のSの字はスパニッシュに由来しています。

当初のスパニッシュは山と谷が別々に構成されていましたが、現在は改良され山と谷が一枚になっています。

葺きあがりは地中海を思わせるモダンな雰囲気になります。

M形

スパニッシュ瓦のデザインが基になった、山が2つある瓦です。

その形状が、アルファベットのMに似ていることからM形瓦と呼ばれています。

本葺き

 1400年ほど前にインド・中国を経て朝鮮から伝わり、日本で初めて瓦が葺かれた頃より継承されてきた瓦です。

丸瓦と平瓦を組み合わせた瓦で、葺きあがりはとても重厚感があり、寺社仏閣・城郭等、日本の伝統建築にはなくてはならないものとなっています。

丸瓦と平瓦が一体になった一体型本葺き(簡略式本葺き)もあります。

産地による瓦の種類

 瓦の生産地は、全国各地にあります。昔は運搬手段が発達していなかった為、割れやすく重い瓦を運搬するのではなく、その地その地で生産された瓦が用いられていました。

 しかし、運搬手段が発達した現代、粘土質の良い土が豊富に採れ、瓦を量産し、全国各地で使用されるようになった三大産地が下記の3つです。

石州瓦(島根県)

島根県で生産されている瓦です。

都野津層から採れる耐火性の高い粘土を使用しているため、1200~1250℃という高温で焼成されます。

その為、雨・雪・あられなどはもちろん、耐火性もあり、凍害(※1)にも強く、さらに塩害にも強い瓦です。

吸水率は、JIS規格が12%以下なのに対して、石州瓦は平均5.2%以下と極めて低くなっています。

石州瓦といえば、赤い瓦を想像される方も多いと思いますが、色はもちろん形もF形(平板)など様々なものがあります。実際、私たちが住んでいる地域では、銀黒と呼ばれる色の石州瓦が最もよく使われます。

※1・・・瓦にしみ込んだ水分が凍って膨張し、瓦が割れること

三州瓦

愛知県で生産されている瓦です。

良質な粘土が豊富に採れ、日本のほぼ中心という立地の良さにも恵まれ、全国一位のシェアを誇ります。

石州よりは低いものの、1100~1150℃という高温で焼成する為、耐火性・凍害にも強い瓦です。

洋風瓦(S形など)への取り組みが昔から行われていた為、全国の中でも洋瓦・平板瓦の生産量は多くなっています。

淡路瓦

兵庫県淡路島で生産されている瓦です。

大阪・京都など需要が多い関西へ船で輸送できたことで発達してきました。

粒子が細かい なめ土 という粘土から作られています。

淡路独特の製法として窯変瓦があり、窯で色味に変化をつけて焼き上げる瓦です。

化学的な手法を使わず、原料となる土の自然な味わいを炎で表現する独特な製法です。

1000℃以上の高温で焼成する為、耐火性にも優れていますが、石州・三州に比べると、凍害には弱いようです。

生産方法による瓦の種類

釉薬瓦

成形した瓦形の素地に釉薬をかけて、窯の中に入れ高温で焼成した瓦です。陶器瓦とも呼ばれます。

瓦表面の釉薬がガラス質になっている為、水が浸透せず、長い年月を経ても美しい状態が保てるため、メインテナンスの必要がありません。

いぶし瓦

成形した瓦形に何もかけずに窯の中に入れて焼き、その後むし焼き(燻化工程)にして、瓦の表面に炭素膜を形成させた瓦です。

裏も表も渋い銀色をしています。

日本建築や、社寺仏閣・城郭等に多く使われ、深い味わいを出しています。

年数が経つと、独特の色の変化が起こります。

無釉瓦

釉薬を使わずに焼き上げた瓦で、生地に粘土以外の者を混ぜる練りこみ方法や、窯で色味に変化をつけた窯変瓦、塩を使って表面を独特の赤褐色に焼いた塩焼瓦があります。